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脱腸は発症した部位によって以下の3つに分類され、それぞれ次のような原因があります。
◆内鼠径ヘルニア
加齢による筋力の低下が主な原因です。
◆太腿ヘルニア
妊娠や出産が原因で、大腿輪が拡大することによって起こります。
◆外鼠径ヘルニア
腹膜鞘状突起が原因です。
俗に言う「脱腸」はほとんどがこのケースで起こります。
⇒ 脱腸の原因 |
脱腸の初期症状としては、太もものつけ根にぽっこりと柔らかい腫れが出ます。
手で押さえると引っ込みますが、若干の不快感はあります。
しかし痛みはありません。
さらに脱腸が進行すると、以下のような症状が出てきます。
・太もものつけ根に出ている腫れが硬くなる
・腫れを押さえても引っ込まなくなる
・激しい腹痛
・吐き気
・嘔吐
・腸閉塞
・腸の壊死
⇒ 脱腸の症状 |
◆大腿ヘルニアにかかりやすいのは?
・中年以降の出産を経験した女性
・出産時に低下した太ももの筋肉抵抗が加齢によって更に低下してしまう為に起こります。
◆外鼠径ヘルニアにかかりやすいのは?
乳児から成人までの間の方が発症します。
◆内鼠径ヘルニアにかかりやすいのは?
中年以降の男性がよく発症します。
また、以下のような人も脱腸になりやすいと言われています。
・便秘気味な方
・内臓脂肪が多い方
・喫煙している方
⇒ 脱腸になりやすい人 |
脱腸が疑われた場合、子供さんであれば小児外科、大人であれば外科を受診するようにしてください。
小児外科がない場合、子供さんだからと小児科を受診しても、結果的に外科に回されますから、最初から外科を受診しておいてもいいと思います。
⇒ 病院は何科に行けばいいの? |
鼠径ヘルニア(脱腸)は医師にとって診断が難しい病気ではありません。 病院では以下の流れで脱腸の検査・診断が行われます。
1.視診
2.触診
3.腹圧をかけてヘルニアが見られるかどうかを確認します。
4.腹圧をかけて診察をしても、膨らみが見られない場合には問診を行います。
これらの診断を確実にするために、
・CT検査
・ヘルニオグラフィー(ヘルニア造影)
などの検査が行われることもあります。
⇒ 脱腸検査と料金・費用 |
脱腸(鼠径ヘルニア)の治療法は、用手整復という手で腸を元に戻す手技を行えない状況まで進行している場合には手術しかありません。
手術法には、昔から行われている「バッシーニ法」や、人工膜を使う「メッシュ・プラグ法」などがあります。
メッシュ・プラグ法には、クーゲル法・リヒテンシュタイン法・ダイレクトクーゲル法などがありますが、これらのどの術法を使うかは脱腸の程度や起きている部位によって決められます。
⇒ 脱腸手術と治療費・費用 |
脱腸の手術を行う場合、病気のことも気になりますが、成人の方であれば「毛剃り」についても少し気になるところでしょう。
現在、脱腸の手術をする場合には毛剃りは行われているのでしょうか?
⇒ 脱腸手術の毛剃りについて |
立ち上がったり、お腹に力を入れた時に、太もものつけ根にぷっくりとした腫れが出たらすぐに外科を受診してください。
病院では視診、触診、問診などの検査を行って、そして手術をする前に用手還納法(用手整復)を試します。
用手還納法というのは、医師が手で腸をあるべきところに戻す手技です。
脱腸はまず、用手還納法を行ってみて、それでも治らない場合には手術になります。
⇒ 手術以外に脱腸の治療法はあるの? |
体の構造上男性によく見られる脱腸ですが、実は女性にも増えてきているんです。
原因は「長時間の立ち仕事」。
女性が外に出て働く機会が増えてきた為に、女性も脱腸になるリスクが上がったということです。
女性の脱腸の原因はこれだけではありません。
「出産」「加齢」も発症理由として挙げられます。
⇒ 女性の脱腸 |
脱腸の中でも「外鼠径ヘルニア」は赤ちゃんや子供によく見られる脱腸で、小児外科で最も多く見られる病気と言われています。
外鼠径ヘルニアとは?
お腹にある腸などの臓器は通常腹膜に包まれているのですが、腸が腹膜鞘状突起という腹膜の一部に入り込んでしまった状態を外鼠径ヘルニアと言います。
⇒ 赤ちゃん・子供の脱腸 |
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